稚魚飼育では底床は必要ない?
ちょうど1週間前に稚魚をバケツで飼育しており、一つは砂利(珪砂)が入っており、もう一つは底床なしで飼育していることを書きました。
一般的に稚魚を飼育するときには底床を入れないのがセオリーになっており、その理由は稚魚が砂利の隙間などに挟まれてしまって死ぬ可能性が高いと言われているためです。
確かにメダカって驚いた時には暴れまわって、底床に突っ込むように隠れようとする個体がいるのは事実です。
これも以前書きましたが、きれいだからとたくさんのビー玉を妻が買ってきて、屋内の小さめの水槽にビー玉を敷き詰めてメダカの飼育を開始したところ、翌日にはビー玉の隙間に突き刺さるように入り込んだ数匹のメダカが動けなくなっているのを見たことがあります。
メダカの成魚でもこの状態ですから、稚魚となるとやはり底床に挟まれてしまう確率はもっと高いかもしれません。
またメダカの稚魚を飼っているとよくわかるのですが、稚魚の中の一部は底のほうを好んで滞在するものもいますから、やはり挟まれないように底床はなしで稚魚を飼うほうが良いと言われるのもわかるのです。
底床がないと水の傷みが非常に早くなる
底床を入れる理由ってバクテリアを住み着かせるという意味合いが強いですよね。
食べ残したエサやフンなどが分解されてアンモニアが発生し、アンモニアをバクテリアが硝酸塩や亜硝酸塩へと分解し、亜硝酸塩は水草が養分として吸収するか水換えによって排出される。
このアンモニアを分解させる働きがバクテリアにあり、底床を入れることで定着させる。
なのでメダカを飼うときには底床を入れることがごく当たり前。
ところが稚魚となると挟まれる危険性があるから底床は入れない。
その代わりに底に溜まったエサの食べ残しやフンなどを最低でも週に1回は吸い出し、減った分の水を追加する。
でもこれではどうしても水の傷みは進行してしまいます。
昨年バケツにメダカ稚魚を水草とタニシをといっしょに入れ、底床なしで屋外で飼育していたところ、週に1度のゴミの吸出しを行っていたのですが、赤ちゃんタニシが白化(殻が白くなる)して死んでしまい、大人のタニシも殻がかなり白くなってすべてが水面近くまで上がってきたことがあります。
これって水が酸性に傾いたための現象で、アンモニアや硝酸塩などが溜まっているために起こっています。
これではメダカにとって良い環境とは言えませんよね。
これまでも当たり前のようにメダカの稚魚を底床なしで飼育してきて、その過程で一定数の稚魚が死んでいました。
弱い個体だからと思っていたのですが、ひょっとしたら水質の悪化で死んでいるのではないかとふと思ったのです。
底床を取り出すのを忘れて稚魚飼育
昨年の秋ごろ生まれた稚魚が越冬しやすいようにと、今年の春までバケツに底床(珪砂)を入れて部屋で飼育していました。
春になってそのメダカたちは屋外へ移したのですが、バケツには底床を入れたままで部屋に放置。
屋外のメダカたちが産卵したので、底床の入ったバケツに水を入れて卵をポイポイと入れてから
「しまった!底床が入ったままだった!」
仕方がなくアナカリスを入れて稚魚飼育の開始。
ひょっとしたら底床に挟まれて死んだ個体もいるかもしれません。
でも水が臭くなるなどの影響は出ていませんし、タニシの殻が白くなって一斉に水面まで上がってくることも今のところありません。
実験してみようと、1か月ほど後に産卵された卵を底床なしでアナカリスとともにバケツに入れて飼育しています。
底床なしのバケツより水の色がやや悪く、1週間もするとかなり臭くなります。
そしてタニシの一部は白化して死んでしまうものもいます。
ゴミの吸出しの頻度は両方のバケツともに同じですが、吸い出された水を見るとやはり底床なしのほうが茶色っぽくなっています。
今回は二つのバケツを比較できたのでよくわかったのですが、昨年までも同じように汚れていたのかな??
底床を入れたほうのバケツで底床(珪砂)に挟まれて死んでしまった個体がどのくらいいるのかは分かりません。
ただ底床なしのバケツの底にはいつもの年と同じように、一定数の稚魚の死体がありました。
元々バケツに何個の卵を入れたのかが分からないので、今現在バケツの中を泳いでいる稚魚の数を比較しても仕方がないのですが・・・
でも私としては底床を入れてよい水質の下でメダカ稚魚を飼育するほうが良いのかもって、思っています。
稚魚にはできるだけ粒が細かいものを底床にするほうが良いでしょうね。