塩素=カルキじゃない!
ご存知のように水道水には塩素が含まれています。
私は知らなかったのですが、塩素=カルキではないのですね。
カルキとはドイツ語のクロールカルキ(Chlorkalk)を略した言葉で次亜塩素酸カルシウムをさし、水酸化カルシウムに塩素を吸収させたものです。
水に放り込むと次亜塩素酸カルシウムは溶けて塩素が発生するのでプールの消毒用に今でも用いていますが、水道水の消毒にカルキ(次亜塩素酸カルシウム)はほとんど用いていないそうですが、水道水のカルキを抜くという言葉だけが残っているそうです。
ちなみに水道水が蒸発したあと白い物質が残ったりしますが(蛇口周辺や洗車後ふき取り不足のボディなどに)あれは塩素ではなくカルシウム、マグネシウムなどのミネラル分だそうです。
水道水の汲み置き
水道水の汲み置きで塩素が抜けるというのは昔から言われていることですね。
バケツに入れて太陽光に当てていれば塩素が抜けるというのですが、昨年春までメダカた金魚などは室内で飼育していました。
それで気になったのが
「バケツに入れて太陽に当てていれば塩素は抜けるかもしれないけど、フタなしではゴミやバイ菌とか入らないの?」
これマジで思っていました。
今はキョーリンのHPに載っていた実験結果を見てからは、ペットボトルにフタをして塩素を抜くようにしています。
キョーリン:トピックス:水道水を汲み置いていれば、カルキが抜けるってホント?
以前にも紹介しましたが、ペットボトルに満タンに水を入れてフタをしていても、太陽光が直接6時間も当たっていれば塩素は除去されるそうです。
イメージとしては塩素が蒸発していくという感じだったのですが、実際には塩素が紫外線によって化学変化を起こして無くなる、ってことになるのでしょうか。
室内放置でも塩素は除去される
キョーリンの実験ではフラスコを満水状態にして空気に触れないようにゴム栓をしています。
この状態で24時間室内放置でも半分は塩素が抜けるまでは書かれていますが、無くなるのは何日後なのかはありません。
実際の実験をしてみたというブログなどもいくつかありましたが、1日半から3日あれば室内でも塩素は除去されるという結論が多かったです。
試薬を使っての実験もあったので、ほぼ正確な結果かなと思っております。
ゾウリムシは水道水で培養しても問題ない理由
「ゾウリムシの長期飼育と教材化についての一考察」という紀要論文が環太平洋大学、次世代教育学部、教育経営学科、特任教授の平松茂先生によって発表されています。
この論文の一節に
(4)水 文献では滅菌水を使うように記述されているが,水道水を直接加えての飼育が可能である。師事した指導主事の研究によると,水道水のカルキには十分耐えると聞いており,筆者も経験的に,汲み置き水を使わず,直接蛇口からの水道水をそのまま使っている。これまでこの方法で失敗したことはない。
ゾウリムシの長期飼育と教材化についての一考察 より
私はこの論文を目にして以降ずーっと、ゾウリムシの培養にはカルキ抜きをしていない水道水を使っています。
全く問題なく培養できていますよ。
ゾウリムシはメダカの稚魚のエサとして与えていますが、気になるのは培養液にカルキ抜きをしていない水道水を使っているけど、稚魚には影響がないの?ってことでしょうか。
塩素は室内でも3日もあればなくなるということですし、一般的に培養を開始して1週間以上経過しないとゾウリムシって与えませんよね。
つまりは稚魚に与えるころには塩素はなくなっている・・・
稚魚に与えるゾウリムシの培養に関しては、カルキ抜きをしていない水道水を用いても問題はない!と思います。