お散歩に行きたい
昨日の夕方、就労継続支援事業所(B型)から帰ってきた21歳の子が
「ちょっとお散歩に行きたい」
と言ってきました。
暗くならないうちに帰っておいでよと、まるで小学校低学年の子に言うように言い聞かせて出かけさせました。
1時間ほどして帰ってきた手にはビニール袋が。
「何か買ったの?」
そうたずねるとビニール袋から取り出し見せながら
「本を買ったの」
単行本くらいの大きさの本が2冊。
何の本を買ったのか見てみると、ジャンプコミックスの「One Piece」の1巻と2巻でした。
ワンピースなんてテレビも見ないし今までにコミック本を読んだこともない。
そもそも漫画なんて読んだことがない子供なんだけど。
「One Piece欲しかったの?」
と聞いてみると、首を横に傾げるだけです。
買わなきゃいけないから買った?
One Pieceの単行本は以前は全巻そろっていました。
私も漫画はほとんど見ないのですが、いまは独立して一人で住む28歳と20歳の子供たちがOne Pieceのほかたくさんのコミック本を全巻揃えていたのです。
おそらくですが、お小遣いや給料をもらったらOne Pieceを買わなければいけないと思っているのでは?と思ってしまいました。
買ってきたOne Pieceのコミック本2冊は、昨日の段階ではまったく本を開くことなくタンスの上に置かれていました。
そして今朝は2冊のOne Pieceをカバンに入れて就労継続支援事業所(B型)へ出かけていきました。
2冊で1000円以下の安い買い物かもしれませんが、実質毎月3000円しか手にすることができない子供にとって、1000円ってかなり大きな金額のはずなんですよ。
買うことが目的
就労継続支援事業所(B型)でお金をいただいた当初は、とにかく自動販売機で買い物をしたくて仕方がありませんでした。
値段が安いとか高いといったことはこういった子には関係がありません。
とにかく自動販売機にお金を入れて、ボタンを押したら商品が出てくる。
それだけが楽しみなのです。
次にはまったのがコンビニでの買い物です。
コンビニへ行ってペットボトルのカフェオレを買うのが楽しみで、これは1週間ほど前まで続きました。
しばらく何も買わないなと思っていたら、One Pieceのコミック本2冊を買ってきたのです。
お釣りはいらない
今までにも買い物をしてきたのは記しましたが、必ず1000円札で買い物をします。
1000円札を出して商品とお釣りを受け取る。
家に帰ってくると、お釣りで渡された小銭はすべて妻に渡します。
「自分で働いたお金だから持っておきなさい」
こういってもお釣りを持っておこうとはしません。
本人には“お釣り”という感覚はないみたいで、お金をもらったと表現します。
そして物を買う時にもらったお金はいらないらしいのです。
今は財布には1000円札1枚だけを入れておくようにしています。
毎月もらう3000円すべてを財布に入れておくと、続けざまに3回買い物をしてくるからです。
どうやって金銭感覚を身に付けさせればよいのか。
算数セットでも買って覚えてもらうしかないのかな。